理事長挨拶

平成24年6月、九州大学医学部教授外須美夫先生から理事長を引き継がせて頂きました。

日本循環制御医学会には34年の歴史があります。主として、全身麻酔中や集中治療中等の急性期の血液循環を維持するために必要な知見を研究することが当初の目的で、心機能や血管抵抗、血管容量、血液量など、循環調節機構の理解が不可欠でした。学問も医療技術も進歩し、低侵襲の出血が少ない手術方法も開発され、新しいモニタ器機や新しい薬剤の創出も相まって、全身麻酔は飛躍的に安全で快適なものになり、集中治療室での治療体制も変化してきました。
しかし、たとえば心前負荷を定量的に示すのはガイトンの定義した平均循環充満圧(MCFP)でしょうが、まだモニタする方法がありません。
一方、循環器内科学領域においては、心不全や不整脈、高血圧症等への対処が循環制御医学会のテーマとなりやすのですが、そういったアイデアは麻酔中の急変時の対処にも応用でき、手術室内と監視室間のデータの通信等は、手術室および集中治療室の外や在宅医療にも応用できます。
相互に情報交換して、よりよい医療体系を構築していきたいと思います。
このように、一朝一夕には解決できない地味な努力を必要とする課題が山積しています。また、活発な学会活動には、若者の力が是非とも必要ですが、会員の減少が学会の運営に大きく影響しています。衆知を結集して、灯台の火を守らなければなりません。試行錯誤も右往左往も、目的は一点、より良い医療のために、深遠で科学的な問答に花を咲かせる楽しみを皆で分かち合いたく存じます。

何分、若輩者で浅学菲才の身です。この一年、将来構想ワーキンググループを立ち上げ、検討を重ねて参りました。このメンバーをコアとして、様々なアイデアを提案する予定ですが、会員皆様のご支援が何より大切と考えています。何卒宜しくお願い申し上げます。


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