前理事長挨拶

「日本循環制御医学会」は1980年に誕生した。初代理事長は徳島大学医学部麻酔科学教室の斎藤隆雄教授が務めた。1994年に北海道大学医学部麻酔科学教室の劒物修教授が理事長に就任し、2003年から私が引き継いでいる。

本学会は、循環管理に興味を抱く麻酔科医の中から、麻酔科医として成長するためには循環制御に精通する必要があり、かつ周術期の循環管理や循環制御を麻酔科医だけで論じていては限界があるという認識のもと、集学的で学際的な場を求めて発足した。その後、麻酔科医、循環器内科医、心臓血管外科医、生理学者、薬理学者らが参集し、専門分野にとらわれず、循環器領域のダイナミックな制御に関する学術研究を発表・討論しあう場として存在してきた。
内科・外科・基礎医学部門の第一線で活躍される人たちの参加を得て本学会は発展してきた。しかし、1996年の日本心臓血管麻酔学会の設立により本学会の規模が縮小され、再度学会の目的や役割が問い直されている。新理事長として、何か新しいアイデアを取り入れていきたい。また、日本心臓血管麻酔学会との共存のための努力を惜しまない。もっと言えば、本学会の原点をもう一度見直して、新しい再生のエネルギーが生まれる土壌を作りたい。そのために必要なことは何か。麻酔科医への呼びかけと他領域への拡充が必要である。学際的であろうとするなら、それを徹底することも一つの道である。そのために循環制御学なる領域をカバーする新しい人たちの参画を得たい。

私は若くはないがまだ私に残されている若気を発揮して本船を漕ぎたいと思う。途中で漂流するか難破するかもしれない。諸先輩がた、理事、評議員の貴重な舵取りのアドバイスがなければ船は真っ直ぐ進まないだろう。なにより、会員の皆さまの育てる気持ちがなければ何をしても無駄だろう。皆さまの育てる気持ちが育つような学会を目指して、微力ながら努力したい。